メディアが「人流を抑制しよう。不要不急の外出を自粛しよう!」と危機感露わに呼びかけていた日々が一変、遠い昔のことのように感じられるから不思議です。激変ぶりに、「なぜ!」と尋ねたい気までしてきます。ただ、油断大敵で、いつ状況が変わるかわかりません。今のうちに次の第6波に人知を尽くして備えること、また、基本的な感染対策をないがしろにすることなく、自分を護る努力を続け、家族や地域社会の活動を健全に応援していくことが求められています。
〔新しい生活様式〕
この戦いが長期戦にならないことを祈りますが、期待に反することも覚悟しなければなりません。ダーウィンは進化論のなかで、「変化するものだけが生き残る」という言葉を残したと言われています。どう私たちの毎日の形を変えていくのかが、いま問われているといっても良いのでしょう。
仕事の形は、出勤合議型からオンライン在宅勤務型へとすでに移行しています。以前は定刻に事務所ビルに出勤していた会社員が今や全国を旅しながらリモートで仕事をこなすかたちも耳にするようになってきました。また、対人サービス業も、対面接客型からテイクアウトや宅配、電話・インターネット活用型へと商態が大きく変わってきました。
私生活ではどうでしょう。動物に分類される私たちが、「映画や美術館、コンサートは休演です。ショッピングは必要最小限に、この週末は動かず、みんなでおうち時間にしましょう!」と閉塞空間に置かれると、ややもすると、これまでは楽しかった毎日が何となくつまらない、やる気が出ない、充足感がないといった負のスパイラルに巻き込まれがちです。
〔チャレンジ〕
この機会を、前向きに、毎日のルーティン(日課)を見直す良い機会と捉え、「日が落ちれば眠り、朝日とともに起きる」という規則正しい生活を一考してみては如何でしょう。SNSやインスタグラムが不可視空間を飛び交うIT社会だからこそ、コンピュータやスマートフォンから離れ(特に就寝前は)自ら情報を遮断する、明るくないニュースやストーリーから自分を遠ざけてみてはどうでしょう。
書を捨てて、森や林に出かけ、深呼吸する。おなかいっぱいに新鮮な空気を取り込み、体の隅々の毛細血管に恵みの酸素を行き渡らせる。或いは、小さなことでも良いから新しいことに何か取り組む。例えば、断捨離に挑戦する。植物の種子を植え発芽をこころ待ちにして、小さないのちを認めたら水分を切らさないようにして大事に育むのも良いかもしれません。
こういう時だからこそ、消極より積極、過去より現在、帰納より演繹で参りましょう。そうすれば、何かしら元気が出てきて、幸せ感が高まること請け合いです。